■「欲しいけど買えない」の哀しさ
この方は、他の不動産屋さんの物件をいくつか見た後に、中古マンションを欲しいと、私のところへ来られました。ご紹介した物件は、価格も承知の上でご覧になり、ご主人も奥さんも大変気に入られました。
売主さんも含めて前向きに話を進めていたある日、「希望した金額が貸してもらえない」と電話がありました。銀行の借り入れ限度額が低く、自己資金と合わせても物件購入価格に手が届かない、というのです。私も、売主さんに値引き交渉するなどしてなんとか、と思ったのですが、値引きしたとしてもまだ手が届かない、他に支援してくれる親族もいないということで、結局その方は購入を断念せざるを得ませんでした。
ではどうしたら良かったのでしょうか。
二章でも詳しく書きますが、やはり、具体的な物件を見る前に、金融機関の相談窓口に行きましょう。
後述の「これだけはチェックしたい、不動産購入前の8つのポイントの⑧(55ページ)」にも、しつこく記載しておきます。これはもう、口を酸っぱくして言いたいことだからです。「欲しいけど買えない」は、やっぱり哀しいですからね。
さて、次からは、不動産購入が現実味を帯びてきたことを前提に、具体的にお話していきましょう。
つづく